ケース24/ポイちゃん

 

ポイちゃん/14歳

薬剤名

エポジン1500


投与時の体重と投与量

4.25〜4.4kgぐらい、投与量0.25ml

 

投与回数と数値の変動

2日に1回

2010年2月21日、23、25、27、3月1日、3日、5日に投与

17%からスタート

 

3日に1回

3月9日、12日、15日

3月17日(投与を始めて25日目)に40%まで上昇


他の貧血対策

子供レバコールを1月24日から1日0.5ml〜1ml

 

皮下輸液もしくは静脈点滴

皮下輸液を朝100ml、夕100ml(量の変更はありません)。

腹水があったため利尿剤を時々輸液にまぜていました。

 

抗体について

できていない


飼い主の感想

投与を始めてしばらくは変化無しでしたが、投与20日目ごろから元気がでてきました。登れなくなっていた台に乗ったり、以前していた行動をするようになりました。食べ方にも力とやる気。

 

3月22日に亡くなりました。

ご飯をほとんど食べなくなっていたのが、エポを始め少し食べるようになりました。

結果から考えると2週間程度の延命になったのではないかと思います。4、5日の間、元気な姿がみられました。

もうすこし早い段階(貧血以外の状態も含め)で始めれば、亡くなる日は同じでも元気な状態がもう幾日かでも長かったかもしれません。

 

投与方法は輸液用のシリンジに入れ、37度に温めた輸液を足して皮下注射をしました。

保存は冷蔵庫でしたが、温めた輸液に混ぜても効果はでました。

もし毎回通院する事が出来ない為にエポをあきらめている方がおられたら、ぜひ自宅でもやってみるべしとお伝えしたいです。

でも血液検査はかならず続けるべきです。

うちは検査に行かず、25日目にはじめて検査をし、PCVが40になっていて驚愕しました。

はじめはそんなに効果がでないようでしたが、ぐっと急にきた印象でした。

 

 

管理人補足

自宅でEPOの投与を許可される飼い主さんは、なかなかいません。管理人の場合は、主治医が開業したてで右も左もわからない若い先生だったのにつけ込んで、ムリヤリ説得して自宅での投与を許可された感じです。

ポイちゃんの飼い主さんの場合は、管理人と違って主治医の先生から信頼を得て許可された、という印象を持ちます。ポイちゃんの飼い主さんには一貫した姿勢があったからです。

 

ポイちゃんの飼い主さんは、いろいろな症状が重なっていたポイちゃんを「できるだけのんびり、出来る限りウチで看る」と一貫して決めていました。そういった揺るぎない意思をしっかりと獣医さんに伝えたことで許可がおりた面があったのではないかと推測しています。多くの飼い主さんのカワイコちゃんがそうであったように、とてもとても大切にされたネコちゃんだったと思います。

 

とはいっても、自宅での投与を許可されるケースはマレです。獣医さんによって考え方はさまざまなので、自宅での投与を許可されないからといって、それは飼い主さんの責任でもなんでもありません。たまたまというか、巡り合わせなどもあると思います。

ただ、ポイちゃんのような方法で、自宅で投与できる可能性がないこともない、ということだと思います。


検査は必要だと思いますし、素人が投与するよりもプロである獣医師が投与するほうがリスクは減らせると思います。でも、ポイちゃんの飼い主さんのようにネコの通院を控えたい確固たる理由があって、先生と相談のうえで自宅で投与ができれば、通院の回数をグっと減らせると思います。

 

そして自宅で投与することを万が一許可してもらえた場合は、ポイちゃんの経験はとても参考になるものだと思います。

ただし、参考にしつつも、主治医の先生と投与方法や保存方法をしっかり相談していただきたいと思います。