ケース22/トラちゃん

トラちゃん/15歳

薬剤名

エスポー注射液1500 


投与時の体重と投与量

2.4kg、0.36ml

 


投与回数と数値の変動

週3回

2010.2.22 もともと貧血気味で21%はいつもの数値だったが、脱水していたのと静脈点滴を選択するために投与開始 ※BUN/Creは、200over/12.5

 

2010.2.24 19.6%に下がる ※BUN/Creは、174/8

2010.2.27 14%まで下降 ※静脈点滴をやめ、自宅での皮下輸液にチェンジ

 

2010.3.13 18%に ※BUN/Creは、170/9.2

2010.3.25 18.6%に ※BUN/Creは、153/5.5


 

他の貧血対策

ペットチニック毎日2ml、セファランチン、食が細く赤血球の材料が不足気味だったので、ビタミン剤(B12)をリンゲル液に混ぜた(「タウチゲン」1日2ml)


皮下輸液もしくは静脈点滴

していた。発覚時は5日間入院し、静脈点滴を毎日300ml。退院後は毎日200〜300ml。

 

抗体について

PCVが下がり続けたときは抗体の形成を疑ったが、脱水を補正するために点滴をしたため、また食欲が不振になったためと判断。もし抗体ができていたなら、もっともっと貧血は進むだろうという主治医からの話もあり、祈るような気持ちでPCVの推移を見守った。

14%で下げ止まって上がり続けたので、抗体はできていないと判断。


飼い主の感想

もともとひどい鼻炎があり、また虚弱でステロイドを長年服用してきました。慢性炎症があり、またステロイドを常用した時期があることから(数年間)、赤血球がほかのネコより小さく、近年のPCVは20〜28%でした。トラちゃんのようにもともと超小柄で、さらに万年貧血もあるとなると、腎性貧血は恐怖になりました。

 

2年前から初期の腎不全でしたが、膀胱炎がきっかけなのかどうか、数値は跳ね上がってしまいました。ただ末期だと診断されたときも万年貧血でしたから、貧血21%はさほどひどくない、という印象でした。

 

しかし、静脈点滴を続けるうちにEPOは追いつかなくなり、好き放題の輸液や点滴はできなくなるかも…と焦りました。

幸いPCVが上昇に転じ、皮下輸液はずっとたくさんの量を入れることができました。

 

EPOで貧血をくい止めることはできたと思います。

旅立つ前日まで食べ、12時間前まで遊び、甘えることができました。尿毒症には勝てませんでしたが、ギリギリまでとてもBUNがそんなにあるとは思えないぐらいに元気にいてくれたのはトラちゃんらしく、飼い主にとっては大きな救いとなりました。