かすみちゃん/8〜9歳 | |
薬剤名 エスポーとエポジン
|
投与時の体重と投与量 ①体重2.55kg、投与量不明 ②体重3.25kg、投与量0.4ml ③体重3.35kg、投与量0.45ml
|
投与回数と数値の変動 ① 2008年11月18日~12月6日に計5回投与(エスポー) 11月18・22・25日と週2回のペースで投与 その後、改善の様子が見られるので11月29日と12月5日と週1回のペースに ※11月18日HCT18.6→12月13日HCT40.9 11月18日BUN68/Cre6.6が12月13日はBUN121/Cre6.1
② 2009年10月5日~10月29日、3日に1回のペースで計9回投与(エポジン) HCT26.1→HCT45.4 ※BUN157/Cre6.3→BUN46/Cre5.8
③ 2010年1月21日~2月20日まで3日に1回のペースで投与(エポジン) その後3月14日に旅立つまで週1回投与。計12回 HTC24.5→HCT33.3(2010年2月16日最後の血液検査) ※ BUN129/Cre10.0→BUN130over/Cre10.7
|
|
他の貧血対策 ①の時期、ペットチニック1日1ml、スローフィー(鉄剤)1日1錠 ②③の時期、スローフィー(鉄剤)1日1錠
|
|
皮下輸液もしくは静脈点滴(貧血とわかって量の変更はあったか) ①と②の時期は変更しました。 ①の時期は、毎日250mlだったのを、エポ開始と同時に2日に1回100mlへ。 ②の時期は毎日150ml・1日2回だったのを、エポ開始と同時に100mlを1日2回へ。 ③の時期は変更せず(というより体調をみて随時増量。150mlを1日2回から250mlを1日2回まで)。
|
|
抗体について エポの投与によって急激な貧血はおきなかったので、最後まで抗体はできなかったと思います。
|
|
飼い主の感想 最初主治医はエポの使用に懐疑的であり、抗体の危険性でエポは最後の最後の手段だと言われていました。私もそう思っていましたがこちらのアンケートを拝見し、早い段階での投与での効果を感じアンケートをプリントアウトして主治医に直談判し1回目のエポ投与を開始しました。 1回目のエポの効果を見て2回目3回目は主治医から早めの投与を提案されています。
おかげで早めのエポの投与によって貧血が改善し、具合の悪いときに輸液量を増やすことができました。 そのおかげで危ない状況から何度も復活し穏やかな時間を過ごすことが出来たと思います。 エポを打ったことはかすみの闘病生活にとってプラスにこそなれ、マイナスになることはありませんでした。
管理人補足 かすみちゃんの闘病生活は16ヶ月にわたったそうです。個人的なことになりますが、管理人は縁あってかすみちゃんの毎日が綴られたブログをよく読ませてもらっていました。
腎不全のケアとして、とくに末期のステージでできることは、「食べてもらうこと」「輸液(点滴)」「貧血のケア」「便秘や膀胱炎を防ぐこと」だと感じます。 様々なサプリも販売されていますし、東洋医学からホメオパシーといったものまで世の中のはいろいろなものが溢れていますが、西洋医学を信頼してネコの楽チンを追求したとき、その王道が「毒素を出し(輸液・点滴)、食べてもらって(時にはサポートゴハン・吐き気止め)、いいウンチ・シッコをする、眠る」だと感じます。
慢性腎不全は治らない病気です。QOLの追求も大切になります。「病気がありながらも快適に過ごすためには、当たり前のことが大事になる。できる限り普通の生活をしてもらうためにどうすればいいかを考えて、ケアを選ぶ必要がある」と思っています(これは個人的な感想でしかありませんが)。
かすみちゃんは、腎不全ケアの王道を進んだネコちゃんではないでしょうか。その王道は、ネコの性格やいろいろな事情でどうしても歩めないことがあります。しかし、かすみちゃんは、王道をまっすぐ歩めたネコちゃんだとつくづく思います。 貧血が大丈夫な状態を常にキープできたので輸液できたし、輸液をたくさんしても胸水など溜まらなかったし、サポートゴハンを受入れてくれるコちゃんだったので、毎日栄養をきちんと摂れました。EPOの抗体形成もありませんでした。EPOと非常に上手に、理想的につき合うことができたネコちゃんだと思います。
王道を行かないことが悪いというわけではありません。管理人のネコも出来ること・出来ないことがあったし、多くのネコちゃんは、なかなかやってあげたいことの全てができないと思います。 でも、かすみちゃんはいろいろなことを受入れてくれました。BUNやCreがとんでもない数値を示し、自分からゴハンを食べることができない長い長い時期もありましたが、何度も何度も復活して再び “美味しい” を楽しみました。愛情に満たされた、濃くて穏やかな毎日に、希望をもらった方はきっと多いと思います。 |